2023.09.late 双六岳(2/2)

The latter half of my diary about climbing Mt. Sugorokudake in September.

双六岳登山、後半です。

双六岳(2,860m)はどの登山口からも遠いため、なかなか気軽には行きづらく、今回初めて登ることができました。

1日目、双六岳下の双六山荘に辿り着くまでに8時間半もかかりくたびれ果てていたため、登頂は明朝に回したいな・・・という気持ちが強かったです。山頂は往復で2時間の距離。
でも翌日は午後天気が下り坂との予報だったので早く下山したかったし、頑張って1日目の16時から双六岳に取り掛かりました。薄暗くなっていく中、疲れと、少し不安な気持ちもありました。

ところが・・・登ってみて腰抜かしました!!
美しいところと期待はしていましたが、想像を遥かに上回る世界に出会い、地球から飛び出してしまったかと思いました。今でも、思い出しただけで心があの世界に吸い込まれそうになります。どの登山口からも遠いだけに秘境感があるし、下から見てあんな世界が上にあるとはできないところは苗場山に通じるものもあります。
地球ではない、地球のその上の世界に行ってきてしまったような、切り取られた時間でした。なだらかに雄大に広がる景色がアーベントロートで赤く染まり、橙色に輝く大きな月まで現れた時には、何も考えられずただただ夢中で目を見開いていました。

この夕暮れの時間が今回の登山のクライマックスではありましたが、翌朝下山時の槍ヶ岳の絶景見えっぱなしコースも負けず劣らずの感動でした。
絶景に慣れちゃうってバチが当たりそうですが、本当にずーーーーっと、絵のような絶景が見えっぱなしで、幸せで爆発しそうでした。

このコースはとにかく長いのでそれがネックではありますが、リピート確実、また行きたくて仕方ありません。

あの星に帰りたい。
そんなふうに思ってしまう、地上のその上の世界でした。

地球が生まれた頃を思う
二日目の朝4:50。テントの中ですら寒過ぎてこの有り様となりました(笑)
1日目の15:30 テント立て終えて中で15分ぶっ倒れて休憩しつつ考えました。今、この疲れた身体で双六岳山頂行って下りてくるか、登頂は明朝にするか・・・。でも今すごく空が綺麗だし、明日の朝は雲が出ちゃってるかもしれないし、明日は午後の天気が心配なので早く下山したい。うおおお、私ガンバレ!!今登ってしまえ!行くぞー!!と、16:00、山頂に向けて歩き出しました。山頂行って戻って2時間くらいの予定。
もう夕暮れが始まっていてビビリの私はなんとなく心細さもありましたが(本日登るビリかしら・・・とか思っちゃった)、私の下山時、真っ暗な中1人で登ってくる人も何人も居たので、全然ビリではありませんでした。みんなすごいなあー
山の上にはもうお花はほぼないので、シラタマノキの可愛らしさに癒されまくります
13分登ると双六山荘がもうあんなに下に。そしてお向かいの樅沢岳が今日の最後の光にあっけらかんと輝いています
最初狭い急登が続きましたがこの巻道分岐でいったん開けてなだらかになります
私が登っていた斜面はどんどん薄暗くなってきましたが登りながら周りに見える山々は本日最後の光に輝いていました。鷲羽岳、水晶岳、かっこいいー!
だんだん岩ゴッツになってきました。今日は双六山荘までで8時間半歩いているのでなかなかにくたびれてますが、最後の力でよじ登ります
登りつつも右手に見える鷲羽岳、水晶岳がかっこよくて目を奪われます。
輝いている面積がどんどん狭くなってきました
左から 三俣蓮華岳(みつまたれんげだけ、岐阜と長野の県境)、祖父岳、水晶岳
暗い岩場を登り切ったら、こんな明るい世界が現れました
なだらかな一本道。
天国に続くみたいで、あの先で空に触れられる気がしてくる
振り返ると槍ヶ岳がすぐそこにあるかのように迫って見える
ずっと超なだらかな一本道でしたが、山頂直下はまた岩ゴッツです。あとひと踏ん張り!
振り返ると槍ヶ岳の勇姿と現実感のない一本道が、鮮やかな現実として目に飛び込んできます
17:03 双六岳登頂!雲一つない青空、夕方の輝き。
今日頑張って登って本当によかった!
槍ヶ岳から穂高連峰までのかっこよさにシビレまくり
一瞬の瞬きも惜しくなる
雲海からキュンッと突き出す笠ヶ岳。
実際にはもっとおおきーーく見えて、かっこよすぎて固まりました。
笠ヶ岳の左奥には遠く焼岳、乗鞍岳も見えています
山頂より、今歩いてきた一本道と槍ヶ岳を望む 
ぽっかり浮かんだ雲がかわいい
山頂でおやつ食べるのを楽しみに登ってきました。すんごく寒かったけど意地でも食べます!(笑)
Fさんお手製黒豆パウンドケーキ、絶品!いつもご馳走様です〜♡
17:34 名残惜しく山頂を後にして歩き始めたら
なんとなんと、アーベントロートに出会えました!
赤く染まる槍ヶ岳の存在感・・・
これは、現実?
自分の目で見ているのに信じられないような気持ち
大キレット、北穂高、涸沢岳、奥穂高、ジャンダルム、西穂高のアーベントロート
ジャンダルム、西穂高のアーベントロート
アーベントロートに恍惚と見入りつつ歩いていたら、さらにびっくり、大きな大きな橙色の満月がポコッと現れました!!
スマホのカメラではちいさーく見えますが、実際は声を上げずにいられないほど大きく輝いていました
18:03 小屋までもう少し。結構急坂なので転ばないようヘッ電つけて慎重に下ります
もう真っ暗になりかけているというのに今から登るソロの人もいました。満月の撮影を狙っていると言っていました
さあー晩御飯だー!腹ペコだあー!!
貴方がいれば何も要らない、ってくらい溺愛してます。アマノフーズのカレー!!下界の専門店より美味しいと個人的には思いますが、山で食べてるからなのかなあ?とにかく大好物!♡
20:00就寝。22時に寒くて起きて小屋のトイレに行ったら、満月が明るくてヘッ電が要らなくてびっくり。歩いている自分の影ができるほどの明るさでした
二日目は3:00起き。テント撤収のろのろ病に罹っているので、めっちゃ頑張って撤収作業に集中します
朝ごはんも相変わらず好きすぎるこれ!とにかく調理の時間がないのでサラダチキンはカットして冷凍して持参。全部をフリーズドライごはんの中に入れて食べます。このセブンのたまごが美味し過ぎて、この後6時間くらい、過ぎ去った恋のように思い出してはうっとりします。安上がりだな私(笑)
5:20テント撤収していよいよここを去ります。
寒くてダウンジャケットが脱げない人
さようなら 双六山荘のテント場さん
お世話になりました
遠ざかる双六山荘(右奥赤い屋根)と双六岳(左)。
またここに帰ってきたい
鷲羽岳、水晶岳もモルゲンロートっぽくなってるーー!♡
そしてまだ双六山荘見えてます。恋人から遠ざかるような気持ち
ここから新たな絶景の連続となります。
早朝の光の中、昨日より紅葉が鮮やかに見える稜線の登山道
槍ヶ岳が雲に見え隠れして美し過ぎて気になって足元が見られまへん!!危ないでしょ!
昨日ヒーヒー言いながら下って登ったポイント。双六山荘も奥にちいさーく見えています
槍ヶ岳さん、美しすぎるのはやめてください
気になって気になって進めないでしょ!!
6:11 鏡平小屋も見えてきました(画面右下)。
まだ小屋のあたりは暗いんですね
左奥から 焼岳 乗鞍岳 
右手前左から 抜戸岳 秩父岩 大ノマ岳
斜面の紅葉が美しい
槍ヶ岳がかっこよすぎて、心奪われる景色の連続!
6:27花見平。
この朝の稜線歩きは本当に素晴らしすぎて夢のようでした
今回はこのあたりで人懐こいおじさんと会い、追い抜いたり追い抜かれたりしつつポチポチおしゃべりしてました。なんと立山からずっと歩いてきて、もう7日間も縦走しているとか!!すごすぎるー!
6:40弓折乗越に到着
鏡平小屋の赤い屋根にようやく朝日があたり始めました。
小屋と小屋の周りの樹木が輝いて、ほんっとーーーに!ジブリの世界としかいいようのない美しさでした。パズーのラッパの音が聞こえちゃうよ〜 (≧∇≦)
しつこいようですが縦アングルも捨て難い
7:05 右奥の稜線から、もうこんなに下ってきました
昨日槍ヶ岳がなかなか見えなくてヤキモキした鏡池も小さく見えています(≧∇≦)
7:24 鏡平小屋に帰ってきました
7:28 朝の鏡池はまた格別!
歩き始めて2時間経ったのでプロテイン休憩しまーす
いちごが1番好きかも(≧∇≦)
この眺めもこのあたりで見納め。さみしいな・・・
8:00 いつまでも鏡池を眺めていたかったけど、今日は午後から雨の予報なので早めに下山すべく先を急ぎます
8:06 やっぱりここを撮らずにはいられません。
「クマの踊り場」!なぜその名前になった!?(笑)
抜戸岳、秩父岩方面の絶景を楽しみながら下ります
下の方には紅葉という楽しみがあります
めちゃめちゃ気分が上がるーー!♡
8:37 シシウドヶ原でお昼寝
とにかく大自然の中でバタッと倒れて寝るのが大好き
この石畳見てください。日本庭園ですか??ってくらい綺麗に平らに並んでいるんです。こんな山の中で、一つ一つがこんなに大きな石なのに、どれだけ整備が大変だったことか・・・こういうところがかなり長く続いていました。素晴らしすぎます
9:38 秩父沢まで下りてきたので、昨日からお楽しみにとっておいた頂き物のエッグタルトを食べまーす。
これ大好物!朝7時に並んで買った神保町のドースイスピーガのより好きかも♡
昨日も思っていたのですが、こんなに下の方でも槍ヶ岳が見えてるんです!
角度が違うのでちょっといつものイメージと違って面白い
涸沢岳、奥穂高、ジャンダルム、西穂高も見えていました
10:40小池新道入り口まで戻ってきました!いえーーーい!
山道はここで終わるのでもうすっかり下山した気分ですが、この後林道を1時間半も歩きます・・・ウザ過ぎる・・・(笑)
こんな道がずーーーーーっと続きます〜
とっても素敵な道ですが、疲れた体には長すぎる(笑)
11:01わさび平小屋に帰ってきました
11:22 ここでお昼にします。私の中で大流行が止まらないシンガポールラクサ!♡先日姉とシンガポール料理屋さんに行った時ラクサがあったのでワクワクして頼んだのですが、このカップヌードルの足元にも及ばない味だったので傷つきました・・・(いや傷つくのはそんなもんと比べられたその店のシェフでしょ笑)
13:02 下山しましたああああああああああ!!!
長かった・・・とてもとても長かった・・・でも、最高の二日間でした!!
双六岳・・・すっかり虜になりました♡
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