2023.09.late 双六岳(1/2)

Climbed Mt.Sugorokudake between Nagano and Gifu. The trail was very long, but the scenery around the top was breathtaking. This post is the first half of this trekking.

一泊二日のテント泊で双六岳(2,860m)に登ってきました。
東京からだと登山口まで遠い上に行程そのものが長いので、憧れつつも今までなかなか挑戦できなかったプチ秘境エリア。今回、前日から車中泊技を使って実現できました。

まあーーーとにかく感動しすぎて何から書いていいか全然わかりまへん!
双六岳。美しいところと期待はしていましたが、想像を遥かに上回る世界に出会い、地球から飛び出してしまったかと思いました。今でも、思い出しただけで心があの世界に吸い込まれそうになります。どの登山口からも遠いだけに秘境感があるし、下から見てあんな世界が上にあるとは想像できないところは苗場山に通じるものもあります。
地球ではない、地球のその上の世界に行ってきてしまったような、切り取られた時間でした。なだらかに雄大に広がる景色がアーベントロートで赤く染まり、橙色に輝く大きな月まで現れた時には、何も考えられずただただ夢中で目を見開いていました。

1日目、双六山荘に到着するまでのコースも大変印象的でそれはそれは美しかったですが、やはりクライマックスは夕焼け前に双六岳に登頂した時。
そして翌日、朝の最高の空気の中、槍ヶ岳をはじめとする山々の絶景をずーーっと見ながら下山した時の美しさも、文章や写真では表現しきれない素晴らしさでした。

難を言えばこのコースはとにかく長い!!二日間のコース距離は30.7km、高低差は2119m。
双六岳の山頂付近がちょっと岩が大きくてゴッツゴツなくらいで、特に難所はなく、初心者でも登れちゃいそうですが、コースが長いのでやっぱり体力勝負になります。私は1日目は12時間、2日目は7時間半歩きました。
特に最下部、登山口から小池新道に入るまでがねー!冗長って言ったら口が悪いですが(笑)、タラタラタラタラほぼ平らな道が2時間もあるんです。あれ何とかならないんもんですかね?(笑)
行きは元気だったので「ねーいつ登山が始まるの?」みたいな気持ちでなだらかすぎる道をのんびり歩き続けましたが、帰りは、もー!早送りボタンどこ?ってくらいウザ長ーーーく感じました。

それでも小池新道に入り特に鏡平小屋から上はものすごく表情豊かなコースで、スイスみたい!!スイスに負けない!!と何度叫んだことか。
正確に言えばやはりスイスのようなスケールの大きさはないんですが、日本の山景色にはスイスにはない、コンパクトだからこその深み、趣き、感動があると思います。

今回あまりにも写真が多かったため、今日は前編のみアップします。
前編は、新穂高温泉の登山口から入って小池新道〜鏡平山荘経由で双六山荘に到着するまで。ここまでですでに8.5時間歩いていてめっちゃくたびれました〜(笑)

後編は、1日目の夕方双六岳に登頂しテント泊し、翌日ピストンで戻るまでです。

鏡池にて、ついに雲が切れて景色が見えて大喜び!
推しとツーショット!
朝6:20、新穂高温泉無料駐車場を出発し歩くこと15分。この時まだ登山口にも着いておらず恵橋を渡ったあたり
6:45 駐車場から20分以上歩いてやっと登山口です〜。熊についての警告や、「双六岳 主」と書いた注意書きがやたらに多いですが、とってもいいことだと思います
7:33 最初はこんな緩やかすぎる林道で、まだ登山が始まった気がしません
7:49 1時間歩いても登山が始まった気がしない道なのに、わさび平小屋に着いちゃいました。とても綺麗な小屋
わさび平小屋はとてもきれい。ドリンクもこんなふうに冷やされてると美味しそうですよね〜
小屋の前のこの演出にはシビレました〜!ハイジのおじいさんが木をくり抜いてつくったみたいな水槽に新鮮な果物がゆらゆら♡バナナ100円とか書いた札がチロチロ揺れて、レトロ&ナチュラルなセンスが最高
下の方の世界にはまだお花が咲いていてくれましたが、ほんの下の方だけ。上は流石にもうお花は終わりです。
アジサイにそっくりなノリウツギ。この子はとっても背が高かったので遠くからしか撮れませんでした。咲いているのに気づいた人は少なかったかも?
右上から時計回りに
ゴマナ
ミソガワソウ
ルドベキア
ノリウツギ
コウゾリナ
ノコンギク
8:25小池新道入り口まで来ました〜!駐車場から2時間歩いて、やっとここから山道になります。これから歩く世界が見えていてワクワク♡
このあたりはずっと沢沿いで体の中まで洗われるような水の音でいっぱいです
このあたりは結構大きめの岩道も多いですが楽しめる範囲。水がじゃんじゃん流れていて沢登り気分のところもありました
秩父沢が見えてきました。写真ではわかりづらいかもですが、画面真ん中あたり、沢の真ん中に人が沢山います
9:14秩父沢到着
秩父沢でおやつ休憩。沢は人も多いしもんのすごい紫外線で眩しすぎたので、沢を少し過ぎた茂みの中に入り込んでパクリ
9:51チボ岩まで来ました。チボ岩ってなんかかわいいお名前 (≧∇≦)
このあたりは岩がますます大きいですが、ものすごーく歩きやすく整備されていて感動するほどでした。日本庭園ですか!?ってくらい石が綺麗に並んでいるところも多かったです
チボ岩から15分くらい登ると下涸れ沢、そのまた20分くらい上に上涸れ沢というポイントがあるのですが、そのあたりは9/21の豪雨で崩落していました。この時まだ1週間しか経っていない時でしたが、警告の看板や注意のテープが実に綺麗に、マメに、たくさん作ってあるのには感動しました。この手書きの丁寧な看板、同じものがたくさんの場所に立てられていたし、テープで岩に貼ったマルや矢印のきれいなこと。看板の体裁が登山口などにあった双六山荘の看板と同じなので、双六山荘の人のお仕事と思われます。山小屋の方々の仕事には頭が下がります。そのおかげで安全に歩けています
なんと!嘘でしょ!?まだミヤマキンポウゲが〜!びっくりです
歩き始めて4時間半、いい加減お腹空いてきましたがお昼まではまだちょっとある。というわけで親友のアメリカ土産、Trader Joe’s のTrek Mixという素晴らしいトレッキングのお供。ナッツとドライフルーツ、身体に優しいしめっちゃおいしー!コレはハマりました
振り返ると登ってきた谷が見渡せます。あの下の方の沢沿いをずっと歩いてきたんだなあー
紅葉してる箇所があると一気に気分が上がって元気になります。秋の歓びを全身でむしゃむしゃ味わいます
このちょっと広くなっているところは印象的なポイントでした。何が?って思いますよね?
右の道標の1番下をご覧ください。ここ、「クマの踊り場」って言うんです!!可愛いような、恐ろしいような?(笑)
登りはじめて5時間。な、長い・・・いい加減くたびれてきましたが、鏡平まで500mとの文字に元気もらって頑張ります!でもね、鏡平から先も長いしそこからがなかなか急登なんですよね〜
ほんと、こういう文字には励まされます〜。朝ごはん食べたのは5:30なのでお腹もぐーぐー交響曲のように鳴りまくりです
11:45鏡池に着きましたーーー!!!楽しみにしていたビューポイントですが・・・
くっ雲が〜・・・せっかくの槍ヶ岳や峰々が見えまへん!!でも青空も雲も最高に美しいし、鏡池に映った世界も輝いています。雲の流れがとても早いので少し待てば見えるかも?とここでしばらく休憩。同じ思いの人々が集まり、皆さん静かに静かに景色に見入り、雲の動きでもうちょっとで見えそうで見えないと「ああ・・・」とため息が漏れます(笑)雲さん、そこをなんとか!!
見えない槍ヶ岳とツーショット。紅葉もきれいだしいいもーん!
鏡池のすぐ奥に鏡平小屋があるので、お昼休憩にします。お腹すいたあああああ!!
雲の向こうに見えるはずの槍ヶ岳と(笑)、鏡平小屋のカレーライス1200円
ごくふつ〜〜のカレーライスですが、山小屋で食べるカレーライスなんて美味しいに決まってるんです。おいしい〜生き返るーー!!
そして食べ終わったら槍にかかってた雲が途切れてきました。もう一度鏡池に行ってこよっと♡
鏡池に戻って、やったー!槍とツーショット撮れました!♡♡♡
先刻見えない数分間をここでジリジリ過ごしただけに、見える歓びが爆発しました
綺麗すぎてカレンダーみたい
胸いっぱいで鏡平小屋に戻る間も、槍がちょこんと見えています
小屋からもこの通り、槍見えっぱなし♡カレー食べてる間は見えなかったのにねぇ・・・(笑)
12:45鏡池タイムも含めて45分休憩して小屋を出発します。この時は、この小屋もすぐ脇のこの池も、この後ずーっと絵本の景色のように上の道から見え続けるとは知らなかったなあー
小屋を出てすぐのところに槍と紅葉の絶景ポイントがあり、一眼で撮っていたお兄さんが場所を譲ってくれました。サンダルを履いていて「僕は今日ここに泊まりなのでどうぞ」。昼12時にもう着いちゃって小屋泊ってことは今日はこの辺りでのんびりたっぷり写真を撮るのかなー?素敵な時間の使い方(^^)
ゴゼンタチバナ
実も花もなくても葉っぱだけでもすぐわかる、形式美のある姿
登っていくにつれ、山の景色がすごいことになってきました。槍ヶ岳から西穂までが完璧な姿で威容を誇り、圧倒されるばかり
これから登る道と稜線が全部見渡せる景色、こういうの大好き!!画面左端上3分の1くらいから右に伸びる白い登山道。そこから稜線に出て右へと歩いていきます
槍から穂高連峰までの圧倒的な絶景の下に、つい25分前まで居た鏡平小屋が見えてきました(画面中赤い屋根)。この眺めはこのあとの登りでしばらく続くのですが、絵本の世界のような美しさに、何枚も何枚も写真を撮ってしまいました
大きく凹んだ大キレット、北穂高、涸沢岳、奥穂高、小さいモコッとしたジャンダルム、西穂高までくっきり見えています。今日は登山日和だし今頃あの辺りを格闘しつつ登ってる人もたくさんいるんだろうなあ〜。そしてあの向こうに涸沢カールがあると思うとますますワクワクします
これから登る道が見渡せて美しい景色がどんどん変わるコースだーいすき!程よくコンパクトな日本の山の醍醐味だと思います
槍から穂高連峰までの山景色と鏡平小屋。同じ景色ですが高度が上がってくるとまた違う輝きです
13:41 鏡平小屋から1時間近く登ってきて弓折乗越まで来ました〜
弓折乗越
13:53 この辺りからいよいよ稜線歩きです。行く道が見えています
これから進む登山道がちょっと見えています。この時はあまり分かっていなかったのですが、画面左の白っぽい山(鷲羽岳、水晶岳)の手前の谷間に双六山荘があり、本日はそこにテント泊します。画面の左端には双六岳の斜面があり、次の写真でその辺りをご紹介します
画面右端の白い小さい山の手前の谷に、本日テント泊する双六山荘があり、正面の山頂が広い山が双六岳です。この日の夕方、双六山荘の谷から双六岳に登った白い道も見えています。
双六岳の山頂については後編で書きますが、その広い山頂には、本当に地球から飛び出してしまったかのような、異次元の美しい世界がありました。この時は何もわかっていませんでしたが、今この写真を見るとあの山頂であんな世界に出会ったことが、夢だったような気すらします
槍が見えっぱなしの幸せすぎる稜線歩き!歩いてしまって、ここを過ぎてしまうのがもったいない。でも今日は双六小屋に到着後、できれば夕方に双六岳に登りたい(明日の午後の天気がやや心配なので双六岳を明朝に回さず明日は下山に専念したい)ので、あんまりのんびりもしていられません。えーん、もっともっとゆっくりして、いつまでも眺めていたい・・・
稜線上で突然だだっ広いところに出ました。花見平です。こんな公園みたいなところが山の上にあるなんて不思議ですよね〜。休憩用のベンチも置かれています
花見平のベンチに1分だけ座って先へ進みます。ずっと道が見えてる♡
これから進む楽しい眺め。紅葉もしてるー!♡
紅葉のトンネルみたいになってました
14:21、遠くの谷間に赤い屋根、見えますか?
なんともう双六山荘が見えましたー!!この時私「あ、もう着いちゃった!はやーい!」って言ったんです。もうすぐそこに見えたんですよね〜、これが甘かった。この先が意外とアップダウンもあって全っ然着かなくてヒーヒーでした。ところが後で写真で時間を確認するとここから35分で山荘に着いてるんですよね。あの時の体感では1時間以上に感じました。何せ朝登りはじめてから8時間経ってます。くたびれていたのと、一度見えて着いた!と思っちゃったのとで、めっちゃめっちゃ長く感じました〜
印象的な稜線の道
このまま稜線歩いてたら小屋はもうすぐそこ♡と期待していた私に、こんな景色が。え〜〜これ下って登るのぉー!?と愕然(笑)山登りに来たのに文句言うな(笑)。下り切ったところにベンチがあり、またすぐ登ります
少しずつ小屋が大きく見えてきているとは言え、なかなか辿り着きません・・・
右奥の赤い屋根が双六小屋。手前にテント場。そして左手のまるっこい山が双六岳。この時はあの山の上にあんなに感動的な世界があるとは露知らず、全然注視していませんでした。想像できなかった感動に出会うのは、この2時間後です
小屋が近づいてきました。緑豊かで、そよ風が吹いていて素敵な谷です
あ”ーーーー!!くたびれたよーーー!!!
まずは小屋でテント泊の受付をしてもらいます
この日は登山日和だったのでテント場はかなり混んでいるかと思いきや、こんなに余裕ありました。どの登山口からも遠いだけに、ガチ勢のみ来る場所なのかも。
谷間に池があって印象的な場所ですが、夜は寒そうだなあー!
前編はここまで。続きは後編で〜
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